オーストラリア、シドニーのクリニカル・アロマセラピスト
〜 環境も考える、本気のクリニカル・アロマセラピー、ナチュラル・セラピー
こんにちは。
もう最後に書いたブログがいつだかも思い出せないくらい、サボっていました。いや、サボっていた訳でなくやること満載でブログにまで手が回りませんでした。
ところが先週から突然時間ができたのです。なぜなら肋骨を骨折したから。ご存知の方は想像がつくかと思いますが、もちろん柔術のトレーニング中にです。夜間のエマージェンシーでドクターや看護師に「どうやって折れたか」を質問されるたびに「男子の首を絞めていた時に〜」と説明しなければならず、その都度皆後ずさりするので、ちょっとショックでした。笑
さらに飲まされた痛み止めが強すぎて、座っている時に気分が悪くなり目の前が真っ暗に。そして突然血圧と心拍数降下。気づいたらベッドの上で看護師が私の名前を呼んでいたという怖ーい経験もしたので、経過観察で一泊入院しました。
まあ、そういう流れで当然動けないから時間ができたわけです。柔術も最低6週間おあずけ。。。
寝ているのが一番痛いし辛いので、退院時に指導された通り日中は普通に生活するようにしましたが、なにしろ呼吸が辛い。胴体を圧迫されている感覚なので、歩いてもすぐに息切れ。そんな状態なので、とりあえず家で溜まった仕事を片付けながら療養することにしました。そうするといかに今まで余裕がなかったかが判明。一日でここまで片付けられるのかと正直驚いてしまった程です。
でも疲れやすいからたまに横になって休む。当然 Youtube のお世話になりました。先月16日に亡くなった私の大好きなソウル・シンガーのアレサ・フランクリン(Aretha Franklin は英語の発音ではどちらかというとアリーサなんだけど)の9時間に及ぶ葬儀の録画を見るという骨折直後にかなりの無理をしました。先月26日に柔術の試合を控えていたので訃報直後は心に余裕がなく、その事実を噛みしめる時間がなかったのが正直なところ。
ここからはちょっとマニアックになるので、音楽好きな方だけ読んでください。そうでない場合は最後のお知らせにジャンプしてくださいね。
さて葬儀といっても日本のとは全く異なります。スピーチ以外にソウル、ゴスペル満載の、しかも私の好きなゴスペル・シンガーのヨランダ・アダムスまで登場して、最後はジェニファー・ホリデイが Climbing Higher Mountains を熱唱してアレサ・フランクリンを送り出すという、彼女の人生を祝福するような式でした。
なぜ私がゴスペルやソウルが好きかというと、一つは子供の頃にピアノを計6年と音楽の基盤を作ると同時に合唱クラブに3年所属して、腹から声を出すこととハーモニーの楽しさを学んだことが挙げられます。そして決定的だったのは1990年代に二度目の訪問となったニューヨークで、当時ハーレム街近くに住んでいた父(なんでそんな所に住んでいたのか知りたい方は、私に直接聞いてください。笑)が体験ツアーに連れていってくれたことが始まりです。訪れた教会では牧師さんの奥様が亡くなった翌日ということで、いつもと違った内容の礼拝になるよと言われましたが、ハーレムの教会に行くこと自体初めてでしたので、何が違うか理解していなかったのが事実です。その時は英語はほとんど話せずでしたが、音楽は世界共通言語。オルガン伴奏が始まると皆立ち上がり手拍子と共に体を左右に動かして歌い始める。天井の高い教会の音響は当然良いのですが、そんなことよりパワー溢れる歌声の素晴らしいこと!大げさかもしれませんが大地はもとより魂を揺さぶられる感覚というのはこのことか、と当時思いました。もうそれで一気にゴスペルが好きになってしまったのです。
礼拝の後は参列者が昼食を食べる食堂で同じものを食べ、アポロ・シアターを訪れ、近くのレコードショップでソウル特集のアルバムを一枚購入しました。一緒に写真撮影したお店のおじちゃん、まだ生きているかな?というほど昔の話です。もちろん、それ以前からアレサ・フランクリンは好きでしたが、ここで改めて音楽の中のソウルの位置付けを再確認しました。父に教えてもらったゴスペルの女王 Mahalia Jackson まで遡り、10歳目前で母を亡くしたアレサの母代わりに面倒を見て歌の指導もしていたことを知り納得したものです。
パワフル且つ繊細な歌声、そして単なるシンガーではなく黒人女性の人権など公民運動にも力を入れた彼女の影響は本当に大きかった。これまで著名なシンガーが亡くなる度に失ったものは大きいと思っていたけれど、ここまでショックだったのは初めてかもしれません。しかも柔術の試合があったせいで、その感情が時間をかけてやっと出てきたのです。7 Stages of Grief(悲しみから立ち直る7つの段階)というのをアロマセラピーの勉強でしましたが、もうこの一週間で一気にこの7つを通り抜けた気がします。いや、まだ完結はしていないはずですが。
話はアレサに戻りますが、ラジオ局勤務時代にいつもキャロル・キングのバージョンばかりがオンエアされて納得のいかなかった(You Make Me Feel Like) A Natural Woman。きっとアレサの声は力強すぎて、何かをしながら聞き流すラジオとしては印象が強すぎたのでしょう。日本では I Say A Little Prayer などがよくオンエアされていましたが、私個人的にはアレサの持つ力強い声が生きているアップテンポの How I Got Over などが好きなんです。思わず手拍子して踊りたくなる曲たちは、肋骨が折れていても動きたくなるくらい!そしてそんな若い頃のアレサもいいけれど、年齢を重ねたアレサの歌声の方が人生の苦楽を表現していて、パワーも説得力もあって好きなのは私だけでしょうか?
私もこんな魂を揺さぶるブレンドを作りたいなと思いつつ、もう少し人生経験を積んだ時がそのタイミングかなと。ここにアップする(You Make Me Feel Like) A Natural Woman は2015年、アレサがもう70代になってからのライブですが、1967年のリリース当時のものよりずっといい!50年近く経って同じ曲をさらに色彩豊かに歌えるシンガーは彼女以外にいないと思わせる力強さ。そしてこの曲をカバーしてきた誰も彼女を超えることができない。まさにQueen of Soul! 人生経験豊かな女性にしか出せない絶妙な表現力と堂々とした迫力は若いシンガーにない魅力であり、年齢を重ねるということは人生で得たもの(お金じゃなくて経験ですよ)が少しずつ増えて豊かになるということ、やはり素晴らしいことだなと実感させられました。
では、勝手ながらオバマ元大統領も私も涙したアレサの歌声で今日のブログを締めくくりたいと思います。
R.I.P. Aretha, but your voice will never fade. It always exists within us.
今日も読んでくださって、ありがとうございました。
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